東バリ貧困撲滅プロジェクト(EBPP)
東 バリ貧困撲滅プロジェクト(The East Bali Poverty Project: EBPP)は、1998年、バリ在住のイギリス人によって設立されたNGO団体です。EBPPは時代と発展から取り残され、孤立した状態にあった7200 ヘクタールに渡る山村集落を救うために始まりました。まず、1998年に19の村に住む3000世帯の村人のうち、1056世帯の村人を対象に現地調査を 行いました。この調査により何千人もの人々が水、道路、学校、保健施設、電気がなく、不衛生な生活しているという、悲惨な貧困状況下にいることが明らかに なりました。識字率はほとんど0%に近い状況でした。栄養失調とヨウ素欠乏症が風土病となっていました。(ヨウ素は健康な子どもの出産、脳や身体の健康な 成長にとって非常に重要な栄養素です。) 1998年11月、村人たちにとって優先順位は何か、EBPPはどのような援助ができるのかという ことを見極めるためにインタビューを行いました。その結果、1000世帯以上の村人たちが、より良い未来の基盤として、子どもたちへの教育を希望しまし た。 生産的で希望に満ちあふれた共同作業が、最も恵まれない地域社会で始まったのです。まず、私たちは教育から着手し、その後、村人たちの協力と自然資材の利 用をもとに、村人たちお互いにとって利益になるよう、生活環境の改善、何千人もの人々への持続可能な食物源の供給、現在と未来へと続く持続可能な生計の提 供、地域環境や生態系の保全といった様々な環境への取り組みを行ってい ます 。 人々の自助発展を支援する」という哲学のもと、すべてのプログラムは、現地の村人たちが習得した知識や適性技術を自分たちのコミュニティーに直接、伝えることにより、自分たちの手で再現、実行ができるように設計されています。 私たちの使命 (Misi kami)
  • 適切な教育や栄養状態の改善、健康維持に必要な基本原則を指導することにより、読み書きができず、栄養失調の状態にある子どもたちの後押しをすること。
  • 貧困から抜け出す術がほとんど無いような農村地域において貧困を減らし、文化継承を意識した、持続可能な成長を促すこと。
  • 1963年に起こった甚大なアグン山噴火によって荒廃した何千ヘクタールもの土地の森林再生活動を通して、人と自然資源の共存を育むこと。
  • 生活エコシステムの改善、何千人もの村人たちへの持続可能な農地の提供、現在と未来のための持続可能な生計の提供をすること。そして、土地、自然、生態系、そして何よりも住民たちにとって大切な雨水の確保と貯水を確実にすること。
私たちの戦略 (Strategi Kami) 地域社会の動機づけと参加 (Communication Motivations & Participation) 村人たちが抱える問題は何かを見極め、希望に沿う、達成可能な目標を考えるために、地域社会の人々とともに活動します。そして、村人たちの自立の促進と、持続可能なプログラムの実施のためにしっかりと参加してもらいます。 現地スタッフ (Staf Lapangan) 現地スタッフは全員、まず、ボランティア・スタッフとして活動を始めました。そして、自分の地域社会に対し、持続可能な発展に貢献する強い意志を示した人だけを現地スタッフとして採用しました。 EBPP には、現在、常勤のインドネシア人スタッフ47名が在籍しています。このうち、41名がこの村の出身者で、他の6名が近隣の村の出身者たちです。インドネ シア人スタッフは、この地域の険しい地形に精通しており、また、地域社会と強いつながりをもっているため、新しいコンセプトを家族や近隣住民にしっかりと 伝授する役割も担っています。 現地スタッフの多くは、これまで様々な訓練プログラムを受けてきました。それはひとつに、自らの能力を向上さ せるため、そして、習得した新しい知識をデサバンの地域社会に伝えるためです。訓練は英語訓練と並行して、有機農業、健康や栄養、適正建築技術、会計手続 き、教員養成など多岐に渡っています。 私たちの目標 (Tujuan Kami) 私達の目標は、私達の哲学そのものを反映しています。 すなわち、継続可能な、長期的なの変化の全ては教育から始まり、教育は子どもからはじまります。そして、子どもは学ぶために健康である必要があるのです。私達の目標は以下の通りです。
  • 将来の力をつける基盤として、子どもたちに統合的で妥当性の高い教育をすること
  • 将来の成長のために、栄養価の高い給食を提供し、栄養について教育することを通じ、栄養状態の改善を行うこと
  • 健康についての教育、栄養・衛生状態の改善を通じて、より良い健康を確保すること
  • 子どもたちや出産年齢期の女性たちのヨウ素欠乏を撲滅すること
  • 長期に渡る食物の確保と、最終的な経済的自立のために、有機的手法で農地の生産性を向上させること
Our Mission Diagram プロジェクト (Proyek) 1999 年に始まった私たちの活動は、「地域社会とのパートナーシップ、そして最優先事項としての恵まれない子どもたちの幸せ」という共通のテーマに基づいていま す。現在、私たちは児童教育、健康改善、栄養、インフラの改善、天然水資源の開発、持続可能な有機農業と、勾配地形や乾燥地帯の浸食のコントロールなど、 多岐にわたる環境への取り組みを行っています。地域社会全体の発展のために、持続可能な社会的かつ経済的な発展を通じて食料の確保と自助努力を促すという 長期的目標は、近年の有機農業協同組合の発展によって実現されつつあります。地域の人々の意欲と参加意識がすべてのプロジェクトの原動力となっています。 私たちが点在した地域社会と活動を始めた時に一つ明らかになったことがあります。広範囲に無秩序に広がった村の中に存在する集落にはそれぞれ異なる気候や 生活における独特な文化の方向性があるということです。それゆえに私たちのアプローチはこれらの違いを認識し、それぞれに適応できるものでなければなりま せんでした。つまり、各集落の住民の希望に基づいて、啓蒙活動プログラムをカスタマイズしたり、新しいアイデアについて議論し解決策を見つけて前進してい く必要がありました。 持続可能な農業開発 (Pertanian Berkelanjutan) 栄養向上のため、そして将来的な所得源としてのオーガニック野菜農法 (Pertanian Sayuran Organik Nutrisi dan Pendapatan akhirnya dari Penjualan) デ サバンの山地は急勾配で、乾燥した砂地であるため、キャッサバやトウモロコシしか栽培することができません。それらは2500世帯の主食となっており、最 も近い市場ですら山道を徒歩で5時間もかかるような遠隔地に存在するこの村の人々にとって、かけがえのない食料品なのです。私たちの教育の哲学は、単に食 料を無料で配布するのではなく、村の人々が生活のために自分たちで食料を確保する方法を伝授する、というものです。それに従い、児童教育プログラムに不可 欠なものとして、全ての学校に有機野菜園を導入しています。まず初めに、ベチベルソウ(Vetiveria zizanioides) を植えます。これは、土と水と新たな自然の段丘を保護するのが目的です。ベチベルソウの根は1年で地中で2~3メートル伸び、水分を蓄える地中のダムのよ うな役割を果たします。そしてその水分を他の植物が長年にわたって利用できるようにするのです。その際、段々畑にはオーガニックの堆肥と牛糞によって栄養 が施されます。有機ワームファーム(ミミズ肥料ファーム)で作られる天然の有機肥料はジャガイモや野菜の苗木を植える前に、土壌に直接、栄養を与えます。 化学肥料や殺虫剤は一切使いません。 私たちは、ジャカルタの英国婦人会 (BWA)の資金援助によって、1999年12月と2001年3月に初めての教育目的の有機野菜園を実験的に作りました。初めての作付で、幸運にも栄養豊 富な20種類の野菜が育ちました。それらは子どもたちの給食に付け加えられました。キャッサバやとうもろこしとキマメしか知らなかった子どもたちとその家 族は、その農園で全く新しい栄養豊富な食料を知ることができました。現在は全てのEBPPの学校に有機野菜園が設置されています。地域社会に良い食事を提 供するという直接の結果とは別に、このプロジェクトは地元の環境を著しく改善しました。 EBPPの学校に通う子どもたちは、統合教育の一環 として、また、実践を通して理論を学ぶために、毎日、有機野菜園へ行きます。彼らは持参した牛糞で土壌を肥沃にする方法や、特殊な有機肥料を作るための ワームファームの状態と経過(デンパサールのDr. Kartini というワームファームの専門家から認証済みのミミズを購入)を観察し、定植期まで栄養を与えるために苗床を準備し、害虫がいるかどうかをチェックし、日々 の経過を記録する方法を学んでいます。全ての活動はEBPPの教育、農業、健康チームと、インドネシアや外国からのボランティアアドバイザーからの協力に よって監視されています。子どもたちは家に帰ると、その手順と経過を自分たちの親に逐一報告します。親はそれを子どもたちから学ぶことに熱心です。 2002年の後半までに、すべての集落の親たちから、子どもたちがEBPPの授業で学んだ土地を肥沃にする方法を教わりたいと依頼がありました。この要請 がもとになって、現在成果が上がっているコミュニティーガーデンの基礎が作られ、2002年の11月にはイギリス大使館の小規模無償計画から3年の助成金 を受けて本格的に活動が開始されました。 ジャガイモ、ニンジン、トマトや多くの緑の野菜は、農家にとって、今後の経済発展のためには欠かせない野菜となっています。なぜでしょう?それはこれまで主食であったキャッサバの主成分(甲状腺腫誘発物質) がヨウ素の吸収を妨げるため、ヨウ素不足に繋がるという事実を子どもたちを通して知っているからです。ヨウ素は健康な脳と体の発達のために不可欠なミネラ ルです。また、ジャガイモの栄養含有量がキャッサバのそれをはるかに上回り、加えて、バリやその他の地域で将来的にこれらの野菜を売って収入をあげること ができるためです。 教育 (Pendidikan) このプロジェクトを始めるにあたり、私たちは、村の人々に、彼らが何を一番必要としているのか確認したところ、子どもたちへの教育が最も求められていることがわかりました。 当時、最も近い公立学校は村から4〜6キロ離れており、いくつかの部落での文盲率は70%から100%に達していました。 読み書きを中心とする基礎的な学習 (Integrated education programmes for illiterate children) 地 元行政の教育担当機関の援助と賛同のもと、何百人もの文盲の子どもたちのために、私たちは、将来の発展(特に健康や衛生、自立)の基礎となる知識を教える 学校を設立しています。初めての学校は、1999年8月に日本の財団であるBali Shogaku Kikin の援助によりDusun Bungaで、次のふたつの学校は2000年に、Dusun CegiとDusun PengalusanでBali Dynasty Resortの援助により開かれました。2001年の12月には、Hard Rock Hotel Bali の援助によりDusun Manikajiにて設立することができました。今では、200名以上ものかつては文盲で栄養不良だった6歳から15歳の子どもたちが、彼らそれぞれの部 落のEBPPの学校に通学しており、そのことは地域社会の誇りにもなっています。 自ら学ぶ意欲を持ち、そして子どもたちを通じて地域社会を 牽引したいと考える地元の人々が教師となっています。カリキュラムは彼らのニーズに応じて調整されます。子どもたちは、読み書きの能力はもちろん、 栄養学、健康のために清潔を保つ方法、公衆衛生、健康的な生活習慣、有機農法、環境教育、社会学、美術、工芸などを学んでいます。著名なバリ人美術家の Pak Made Budiana氏は、他の支援者と共に子どもたちの芸術的素養を伸ばすために、Desa Ban を定期的に訪問して下さっています。 2003 年までに、4つの学校のうち、3校の子どもたちは、教室、図書館、職員室、給食室付きの校舎で過ごすことができるようになりました。各校舎は、それぞれ異 なった支援者の資金援助により、我々の技術的、物流的指導のもと地域の人々の手により建設されました。私たちはこれらの学校を、地域住民によって運営され る地域のための施設とし、 そして将来的には、職業訓練の場として発展させていきたいと考えています。10代の子どもたちのための芸術プログラム、保護者たちのためのオーガニック農 法講習などを既に始めています。 中等学校進学のための奨学金 (Secondary School Scholarships) 1999年 からEBPPはSingarajaの中学校へ進学するための奨学金を12名の子どもたちに与えて来ました。その子どもたちは授業のある間、Shingaraja のDana Punia 孤児院で暮らしています。 残念なことに、4名の子どもたちは家庭の事情により中学校を退学せざるを得ませんでしたが、それ以外の子どもたちは今年、中学校を卒業し、Shingatajaの高校で学び続けています(2003年現在)。 彼らの教育費は、善意あるアメリカ人によって運営されているDanu Enterprisesによって支払われています。多くのバリを訪れたアメリカ人観光客が、EBPPの活動を紹介したビデオを観た後、毎年募金をしてくれているのです。 私 たちは、この奨学生たちが学業において優秀なだけでなく、将来的に村に帰り、自分たちが得た新しい知識を他の村の人々と共有し、村の自立のために継続的な 発展を可能とする新しい世代を育てたい、という未来への展望を抱いていることを誇らしく感じています。学校の休暇期間には、奨学生達はEBPPの活動に参 加し、後輩である子どもたちの学習を手助けしたり、コンピューター技術を学んだり、健康・栄養学のスタッフと活動を共にしたり、創造的な芸術的素養を伸ば したりしています。彼らは本当に驚くべき、素晴らしい青少年たちです。 健康改善 (Kesehatan Perbaikan) 公衆衛生 (Kesehatan Masyarakat) 教 育プロジェクトを始めたばかりの頃、40~60%の子どもたちが、栄養不足と衛生についての知識不足で病を患い、多くの子どもたちがとびひに苦しんでいま した。その主な原因はヨウ素不足です。指導員は子どもたちに定期的な入浴、煮沸水、食事前の手洗いの大切さ等の、衛生習慣について学ぶ手助けをしていま す。授業の後、子どもたちはミルクやマルチビタミン、ミネラルのサプリメントなどを含む、栄養のある食事をとっています。最近では、本プログラムの参加者 の子どもたちのほぼ100%が健康です。 ヨウ素不足 (Akibat Kekurangan Yodium) 1998 年の調査では、85%近くの小学生年代の子どもたちがヨウ素不足で苦しんでいました。ヨウ素不足は、新陳代謝や一般的な発育に影響し、また、脳の発達を妨 げることにも繋がります。2001年にEBPPと地域の保健所やバリの州政府は、ヨウ素不足とその予防について村の人々に周知し、15歳以下のすべての子 どもや出産年齢のすべての女性にヨウ素添加塩を紹介したり、ヨウ素のサプリメントを配布するプログラムを展開する活動をしていました。全体で、858人の 女性と1909人の子どもがその年にプログラムの対象者となりました。 そのプログラムは2002年まで続けられました。6月から8月の間、 ヨウ素のサプリメントは1006人の女性と、1055人の6~12歳の子どもたちに配布されました。プログラムの効果を検証することとその将来的なニーズ を評価するためにさらなる試験が行われています。また、このプログラムにかかる費用はユニセフによって提供されました。 歯科医療 (Perawatan Gigi) 歯 科医療施設は、最も近いものでも公共の交通機関のない12km以上も離れた場所にありました。子どもの歯科健康を調査するため、デンパサールのマハサラス ワティ大学の歯科衛生施設からDrg I Panji Triadnya氏と彼の同僚が2001年の2月から5月の間、集落をボランティアで毎週、訪れました。8月にDrg Panji氏は生徒たちと一緒に2日間デサバンの子どもたちの状態を見るために引き返し、予防歯科治療について子どもたちに教えました。EBPPはこのプ ログラムを、全ての子どもたちの歯の検診を行い彼らに予防歯科治療について周知するまで続ける予定です。EBPPは、2006年10月6日に、設備が整っ た移動歯科診療所を用いて、バリでは最も孤立して貧しい地域である、カランガスム県クブサブ地区のデサバン(バン村)のすべての子どもたちと人々のため に、無料の歯科治療プログラムを開始しました。こちらをクリックしていただくと、本プログラムについての最新のニュースレターをご覧いただけます。プログ ラムのための資金は今現在も必要とされています。 白内障と口蓋裂手術 (Cataract & Cleft Palate Operations) こ れは、地方衛生公社と協力して働いているRotary InternationalとYayasan Kemanusian Indonesiaと、John Fewcett Foundationとの共同プログラムでした。白内障の手術はRotaryの移動式診療所で、口蓋裂手術はデンパサールズコミュニティーアイセンターで 行われました。 一次医療 (Perawatan Kesehatan Utama) 専門知識を 持ったヘルスボランティアであり、デンパサールのウダヤナ大学の健康学部に在籍するDr. Gde Ngurah Indraguna Pinatih氏は定期的にEBPPの健康教育チームと健康のためのカリキュラムを作り、定期的にそれを改善しています。 彼は村民の総合的な健康状況を査定するためにボランティアでプログラムに参加しています。深刻な健康問題がある場合には、患者は適切な医師や病院に紹介さ れ、しばしばEBPPのバリ支部のスタッフに付き添われます。 適正技術によるインフラ改善 (Meningkatkan Infrastruktur dengan Teknologi Tepat Guna) 各 インフラプロジェクトは地域社会の村人の直接参加によって運営されています。プロジェクト完成の暁には、完成物は自分たちの地域社会の資産になるという認 識が、村人の参加意識を高めています。 EBPPの現場チームは組織的なサポートを行っており、すべての資材の運搬はスタンダード・チャータード銀行(ジャカルタ)から提供を受けたフォード・レ ンジャー(4DW)で行っています。以下にプロジェクトで行った作業と使用した現地資材について説明します。 交通の便 (Access) プ ロジェクトが始まった当初、デサバン村は傾斜の低い山道からしかアクセスができませんでした。なかでも、プロジェクトの対象となったいくつかの集落は、当 時は山道用のオートバイでしか行き来ができない状態でした。1999年11月、EBPPはアグン山とアバン山の中腹に位置するデサバンの南の境界から、ダ ヤの集落までの3kmにわたる泥道の改修工事を始めました。まず、地表を改善するために、出土している火山砂とセメントを混ぜ合わせたものを泥道に散布し ました。それと同時に、浸食を食い止めるためにベチベルソウ(Vetivera zizanioides)も植樹しました。プロジェクトではEBPPが技術提供を行い、村人たちが作業を行いました。プロジェクの成功により、交通の便が より便利で安全になりました。これまでに6km以上の泥道が舗装されたことにより、240世帯以上の住民がそれまでアクセスが不可能だった医療処置、買い 物、その他の基本的なサービスを受けることができるようになりました。このプロジェクトは、バリ・タマンロータリークラブによって資金援助がなされまし た。 正技術を使った建築 (Building with Appropriate Technology) EBPPチームによる指導のもとDusung Bungaの村人たちは、スチール材の代わりに現地で育った竹を補強材として使うという適正技術を利用し、地域初の学校を建設しました。学校は80m2の 広さがあり、教室2つ、職員室、図書館、食堂があり、子どもたちの為の学習の場となっています。また、この学校は子ども、10代の若者、大人たちにとって 職業訓練センターの場にもなっています。建物はアイランド・エンジェルズ(バリ、アメリカ)による資金援助により、2001年2月に完成しました。 2003 年初期にはさらに2つの学校が建設されました。その時は壁を作る竹材が入手困難だったため、代わりに軽量コンクリートブロックが使われました。学校の1つ はオランダのThe Community of Oppenhuizen en Uitwellingerga の資金援助により建設され、現在、Dusun Pengalusanにあります。この学校は164m2の広さがあり、教室4つ、職員室、図書館、食堂があります。もう一つの学校は、ジャカルタのJava St Andrews Societyとバリのハードロック・ホテルによる資金援助により建設され、こちらも同じような広さの施設となっています。 貯水槽 (Clean Water Reservoirs) 近 隣に天然水の供給があまりない5つの集落に対して、EBPPチームからの技術提供をもとに、 雨水を溜めるための衛生的な貯水槽を建設しました。貯水槽の建設には、学校の建設と同様に竹とセメントが使われています。貯水槽の仕組みについて説明する と、まず、雨水は竹の雨どいをつたって、屋上に集められます。そして、砂利と炭のフィルターを通過し、透明な沈殿物とバクテリアとに濾過されます。 2002年8月までに24個の貯水槽が建設されました。各貯水槽は4500ℓの水を貯めることができ、集落の住民にこれまでにないほどの綺麗な水を供給し ています。貯水槽の使用により幼児の死亡率や病気が減少しました。このプロジェクトはThe Royal Society of St George(ジャカルタ) 、The American Women’s Association (ジャカルタ)、The Tierney family (バリ、アメリカ)からの資金援助により行われました。 山の湧き水からの浄水の供給 (Sustainable Clean Water From Mountain Springs) この貯水プロジェクトは2002年8月、Daya 集落で始まりました。この地域では、離れた場所にある泉や雨水貯水池からしか水を得ることができませんでした。しかし、このような水は覆われていないことが多いため、非常に汚染されていました。 プ ロジェクトは、集落にある3つの泉の水量についての数か月間に渡る監視、貯水の改善、効率的かつ効果的な水の供給プランを作成するための地域住民の水需要 についての調査など、長期間に渡っています。地域社会の村人たちにとって大切なことは、入浴、洗濯、安全な飲料水に使用できる水が増えることです。このプ ロジェクトはThames Water’s Sustainability Committeeからの資金援助により行われています。 ベチベルソウ:生物工学による浸食コントロール (Vetiver Grass: Bio-engineering Erosion Control) ベ チベルソウは非侵入的で藪を形成するという特徴を持っています。そのため、これまで、傾斜が急な道の浸食を防いだり、非常に険しい砂地の山間部に有機野菜 農園を作ったりするために利用されてきたという実績があります。ぎっしりと植えられたベチベルソウは、急速に成長し、頑丈で繊維質な根を持った密度の濃い 生垣へと成長します。根ははじめの1年間で地下2、3メートルにも延びます。 2000年に私たちがベチベルソウをバリに紹介して以降、多くのヴィラ、ホテル、個人宅が建っている傾斜が急な土地、また、ビーチや岩崖の坂道が浸食されるのを食い止めてきました。ベチベルソウについての詳しい情報についてはこちらをご覧ください。 栄養改善 (Nutritional Improvement) 学校給食と栄養指導 (Anak-anak sekolah di EBPP Program Pendidikan Terpadu) 村々では、栄養失調と深刻なヨード欠乏症が問題となっていました。 そ れは、伝統的な食生活における、主食キャッサバと、ヨウ素が含まれた食塩の不足によって引き起こされていました。1999年Bunga 集落で初めて学校を設立してからずっと、私たちは、子どもたちが、心身ともに健康的な状態で、学ぶ意欲を持ち続けることが重要であると考えてきました。私 たちが提供する無料の学校給食は、炭水化物、タンパク質、ミネラル、ビタミンを供給できるように注意深く組み立てられています。1日1杯の牛乳だけでも、 これまでより多くのタンパク質や脂肪分を提供してくれます。この給食は、 食材の入手方法、給食室での衛生的な調理方法等を、適切に指導された地元の女性によって準備されています。私たちが設置した有機野菜園は、子どもたちに、 野菜とハーブの栄養効果、植え、育て、収穫し、種を保存することなどを「自ら育てる」経験で教えてくれます。この経験は、子どもたちがその親たちにこの農 園から学んだ知識を伝えるための礎となり、彼らが親になった時にも生かされるでしょう。 食生活の継続的な改善のために、私たちは、食事バラ ンスの重要性と、彼らの健康にとって重要な鍵となるヨウ素、他のミネラルなどの必要不可欠な微量栄養素、特にビタミンAと鉄分について、学校が始まった第 一週目に子どもたちに教えています。そして子どもたちがこの新しい知識を親たちに伝えるのです。私達のボランティアの医師であり、バリのトップ栄養学者で もあるIndraguna Pinatih 氏による定期的なこの給食に対する分析によると、それぞれの子どもたちは470〜550カロリー、15〜18 グラムのタンパク質、10〜13グラムの脂質を毎食摂取できています。 現在、給食で使われる多くの野菜は、この学校近くの畑で生産された ものを使用しています。2000年以来、これらの実験的な学校農園の経験から、子どもたちはみるみるうちに、以前は知りもしなかった新たな野菜の栄養価や 育て方、手入れの仕方を理解しました。子どもたちは野菜を育てることを楽しみ、収穫された野菜の一部を家に持ち帰って家族に紹介しました。本プロジェクト のもっとも素晴らしい成果としては、親たちやその他大勢の地域の人々が、これらの新しい野菜に大きな関心を持ち、子どもたちから各家庭でこれらの野菜を育 てる方法を学び、それを実践してみることに決めたことです。 環境への取り組み (Inisiatif Lingkungan) 1998 年の発足以来、私たちは、安価で高品質、そして環境に優しい方法によって、継続的な地域の発展を創造しようと試みてきました。私たちのプログラムは、自然 と人間の間に共生的な関係を創造し、それぞれの進歩により最大限の可能性を発揮するように計画されています。森林再生、浸食防止、資源再生の活動に住民た ちを積極的に参加させると同時に、彼らに環境保全の重要性を伝えています。これらのプロジェクトを通じて、私たちは、環境に配慮した我々の方策が、環境保 全、環境保存、資源の管理の総合的な見本となることを目標としています。 竹の利用 (Bambu Reboisasi) Mt. AbengとMt. Abengの間に位置しているデサバンは、未だに1963年のアグン山の噴火からの復興しきれていないと考えられています。不毛の火山灰で構成された険し い傾斜地に囲まれ、この土地は、森林再生への困難な挑戦に直面しています。私たちの混農林業と環境保全型の商業計画は、環境と地元民たちの生活の助けにな ることと確信しています。竹は世界中で最も生育が早い植物のひとつで、様々な利用価値のある植物です。私たちは地元の人々に、竹の重要性とそこから得られ る利益の全てを伝えてきました。生育が非常に早いために、伐採してもすぐに次の竹が生えてくるので、原料として継続的に手に入れる事が可能です。そして、 材質としても強健であり、下級の鋼鉄に匹敵します。竹は、世界中で最も優れた、そして最も信頼のおける建設材料であるのです。世界的にも一流の竹の専門家 であるLinda Garland氏の助けを得て、私たちは周辺の村の住民に、竹の植え方、環境に優しい伐採方法、建材として利用した小屋から住宅まで、様々な方策を伝授し てきました。 ベチベルソウの利用 (Vetiver Grass) ベチベルソウは、 種子からは発芽しない発育の早い茂み草で、雑草のように勝手に広がって生えることはできません。そして、ベチベルソウは、密集し、根深い根の性質から(地 上から3メートルにも及んで根を張る)、浸食や地滑りを防ぐことができるのです。その性質によりベチベルソウもまた道路の保護や農地の補強、洪水対策のた めに利用することが可能です。これに加えて、土壌を改善し、水質改善するので、ベチベルソウは環境の掃除人としても作用します。ベチベルソウは建材や工芸 などにも使うことができ、その販売収入は地元経済の更なる発展につながります。 ベチベルソウを利用した手芸バッグ/バスケットの講習会:(Vetiver kerajinan "tas / keranjang" kursus pelatihan: ) Ekoturinのスタッフや学校の教師、そして村のリーダーたちに技術を提供するために、タイから一流のベチベルソウ工芸の講師を招き、ベチベルソウ製のバック、籠、などの工芸品の制作の講習会を開催しました。 乾 燥ベチベルソウを利用した服、バッグ、帽子の制作、および地域学校や生活協同組合向けの装飾用品:( Produksi kering Vetiver pakaian rumput, tas, topi, dan perabot untuk bisnis lokal dan koperasi: ) 製品は今や、乾燥ベチベルソウの服、バッグ、帽子などにも及びます。ベチバーを材料とする様々な工芸品の制作を習得させた後、私たちは今、それらの製品を地元で販売する手助けをしています。今後は、輸出販売も視野に入れています。 ベチベルソウの特長や便益についての詳細は、”Indonesian Vetiver Network”のページをご覧下さい。 バイオガス(Biogas) 牛 の排泄物は、大きな金属製のドラム缶に集められ、水と混ぜ合わせます。この混合物はすぐに発酵が始まり、メタンガスを放出します。このガスが金属製のドラ ム缶からゴム製のチューブに移動し、村の人々は、通常のプロパンガスのように料理や暖房のために使用することができます。
EBPPウェブサイトの日本語版の翻訳は吉川絵美さん、片桐麻衣さん、佐藤加奈子さん、松田早苗さんにご協力頂きました。一同感謝申し上げます。